報告


 NPOマネジメント講座【出前講座(仙南地域)】
  つくる前に考える!
  NPO法人設立基礎講座 in 柴田

 ●講師:大久保 朝江さん((特活)杜の伝言板ゆるる代表理事)
 ●日時:2009.11/19(木) 14:00〜16:00
 ●場所:柴田町役場保健センター4階会議室

 
11月19日マネジメント講座(出前講座)の様子
11月19日マネジメント講座(出前講座)の様子
11月19日マネジメント講座(出前講座)の様子

 宮城県域のNPO支援を役割とするみやぎNPOプラザでは、年に数回、出前講座を開催しています。
 今回は柴田町を会場に、NPO法人はまだ少ないが、任意で活動している団体の多い仙南地域で、NPOの基礎知識から設立方法やより良い運営方法についての重要なポイントを学ぶ講座を開催しました。

 講座の主な内容は、以下の通りです。

●NPOとは
 語源:Non-Profit-Organization 「民間非営利組織」
   「民間」−政府の支配に属さない
   「非営利」−利益を目的としない
    ⇒儲けてもいい、ただし、関係者で山分けしてはいけない(非分配)、活動に換えて地域に還元する。
     ※企業との大きな違いはここ!
   「組織」−社会に対して責任ある体制で継続的に存在する人の集まり
 ■特定非営利活動促進法(平成10年3月25日公布)
  「市民活動促進法」のはずだったが、「市民」の意味が行政区単位のものと判断され、国民活動、いや県民活動だ、などと誤解され、更には様々な価値観から参議院で一度は否決。修正案を再提出し、この名称になった。「特定」とは、活動の分野が17分野に特定していることから付いている。
 ■宮城県の民間非営利活動を促進するための条例(平成10年12月15日)
  条例では、NPOを以下に定義している。
   第二条
   ・営利を目的としない(行っていけないわけではない。)
   ・自発的に行う社会的・公益的な活動を行う
   第三条
   ・自発的な意思と自己責任の下に行われ、その自主性及び自律性が尊重され、かつ、公共の福祉の向上に寄与するものでなければならない。
 ■宮城県民間非営利活動促進基本計画 ※5年に一度見直し
  「市民」の定義−行政単位の「市民」ではなく、地域を支える人という意味で使われる。
  <NPOの特徴>※法人格の有無は問わない
    1)自主性と自発性
    2)公益性−不特定多数のものの利益を目指す
    3)非営利性(=非分配性)
    4)自立性と独立性
    5)組織性と継続性
    6)事業性と経済性

●組織とは人の力の集まり
 市民が行う活動体としては、2つの形がある。
  1)地縁型住民組織(コミュニティー組織)→町内会
  2)志縁型組織→NPO
 いずれにしても両者がつながっていくことが地域の生活環境をよくすることに繋がる。

●NPO法人設立
 法人化する意義 ⇒ 社会的信頼を獲得
 法人化したからといって、助成金がもらえるわけではない。むしろ、NPOは資産が毎年変わるため、県へ関係書類の提出や法務局への登記が義務となり、事務処理の負担も出てくる。
 法人設立するための要件やそれまでの過程、法人を設立してからの義務などを説明した。
 現在は、NPO法人の情報は、宮城県のHPにて公開されている(役員名以外)。

●ちょっとしたアドバイス
 定款の第5条までが“肝”になる。手間がかかっても、メンバー全員で作ること。理事は何かあった時、責任を取る立場。名前だけの理事では済まされない。
 事業予算書は、管理費の中の人件費が全体の三分の一以上になると行政から指導が入ることがある。事業を行う上で必要な人件費に関しては、時間や仕事量に応じて按分し、事業費の経費として計上する。管理費には、役員報酬や総会費、会員管理関連などが該当する。なお、団体の資金管理については、通帳と印鑑は別々に管理することで透明性確保や不正防止になる。キャッシュカードは作らない方が安全。
 任意団体から法人化した場合、登記後できるだけ早い日に法人にすべての負債、資産を寄付することも一つの選択肢である。
 解散するにも、官報への公告費に10万円ほどかかる。代表が既にいない場合は、代理人を立てる必要がある。

●市民活動でも経営?
 団体の目的を進めるには「人」「物」「金」が必要になる。開始時のボランタリーな精神にも限界があり、活動を継続していくためには資金の収支をしっかり見越して実施する“経営”という意識が必要になる。NPOはミッションを実現するために、儲ける事も重要である。


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