第3回会計税務講座
 わたしにもできるNPO会計・初級講座

 〜すぐに役立つ効率的な会計処理〜

 ●講師:平野由紀子さん(税理士)
 ●日時:2008.10/22(水) 13:30〜16:30

 
10月22日会計講座の様子
10月22日会計講座の様子
 NPOにとって、団体の活動を理解してもらい、より多くの人から支持を得るために、会計は重要な指標となります。そのため、誰にでも分かりやすい会計書類を作成することが必要となります。

今回の講座では、「NPO会計マニュアル」「NPO会計日誌」を使用し、すぐに使える会計処理を学びました。

▼NPO会計マニュアル
http://www.npo-support.jp/npo_support/npo_kaikei_manual.php
▼NPO会計日誌
http://www.npo-support.jp/shop/npo_kaikei_nisshi.php

■勘定科目の設定
 勘定科目の設定は、一般的慣習に従って設定するのが、原則です。しかし、団体あるいは法人の活動の特殊性により、勘定科目を設定しても問題はありません。従って、会員や所轄庁への報告を念頭におき、団体の規模に合わせた「見やすい」科目を設定すると良いでしょう。
 また、事業年度ごとに科目の設定が異なっていると、年度比較がしにくくなるため、頻繁に科目体系を変更するのも問題があります。団体内で経理規定を定め、それに基づいて運用していきましょう。
 【収入の部】
 一般的には「会費収入」「事業収入」「補助金・助成金収入」などに分け、重要でないものは細分化せずに「その他収入」などにまとめることも可能。
 【支出の部】
 支出は事業費と管理費に分けることが基本。事業費とは、事業実施のために支出した経費。管理費とは、組織運営のためにかかった経費。この2つに明確にわけられない共通費(たとえば、人件費や電気代、電話代など)については、合理的な比で按分(面積、時間、使用頻度など)するため、按分の基準を事前に検討しておくことが必要。

■帳簿の付け方(現金管理の方法)
 「現金出納帳」は現金が入金になった、あるいは出金されたときに記入します。そのため、現金出納帳に記帳する日付は領収書の日付ではなく、実際にお金の動いた日付になります。
 現金残高は、常に金庫の中の現金と帳簿上の金額が同じであることを確認します(現金実査)。出納帳の残高と金庫の現金が合わない場合には、「現金過不足」の科目を用いて、帳簿上の金額と実際の「現金」とを合わせ、いつの時点でいくらの現金が合わなくなったのかを明確にします。その後、「現金過不足」の原因が分からない場合には、決算時に「雑収入」「雑損失」の科目に振り替えます。
 現金の取り扱いには1人ではなく、複数人が関わる仕組みをつくるように心掛けましょう。

■証憑処理の方法
 会計記録には証拠の裏付けが必要です。領収書はその証拠として有効ですが、「香典」「祝金」のように領収書が出ない場合もあります。そのような場合には内部で「支払証明書」を作成(招待状や挨拶状を証拠として添付)して、領収書にかえることもできます。
 団体で会計規定を策定し、その中で領収書の扱いについても、ルールをつくり、公平であることを明文化することが重要です。

 経費精算書などは、極力、経費を支出した人が書くようにしましょう。支出の詳細を把握している人が経費清算書を書くことで、経理担当者の負担軽減にも繋がります。

 「効率化も重要ですが、ひとつのことに複数人が関わり、チェックし合う仕組みをつくることは、ミスや不正を防ぎ信頼を得られる組織作りには重要です。」という、講師の言葉にうなずく参加者も見られました。



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