第2回NPO支援センター研修
 もっと市民の心に響く!
  ニューズレターの文章力アップ講座

 ●講師:目黒淳一さん(河北新報社メディア局ネット事業部長)
 ●日時:2009.9/10(木) 13:30〜16:30

 
9月10日NPO支援センター研修の様子 その1
9月10日NPO支援センター研修の様子 その2
9月10日NPO支援センター研修の様子 その3
 多くのNPO支援センターでは、ニューズレター(広報紙)を発行しています。内容は、団体の活動報告、地域のNPO紹介など様々ですが、共通する目的は、市民にNPOについてより関心を持ち、理解してもらうこと。「市民にとってもっとわかりやすく、おもしろい記事を書くにはどうしたらいいんだろう?」と頭を悩ませているスタッフは少なくありません。
 その解決につながる糸口を、河北新報社メディア局ネット事業部長の目黒淳一さんから、たっぷりと教えていただきました。目黒さんは、ネット事業部が運営する地域SNS「ふらっと」で、“中年の受難と苦しみ”をユーモラスに書いたブログ「下り坂の途中」を更新していらっしゃいます。

 講座では、実際に取材し、記事を書くワークショップも行いました。取材対象者は、みやぎNPOプラザ内のレストラン「リストランテ歩°歩°(https://www.miyagi-npo.gr.jp/plaza/floor/restaurant.htm)」のサービス管理責任者、松田正一郎さん。提供された資料を元に、記者会見方式で参加者が各々松田さんに質問します。
 おすすめメニューや苦労話、今後の展望、仕事をする上で大切にしていること…と、様々な質問が飛びました。松田さんはシェフらしく手際の良いテキパキとした口調で、丁寧に質問に答えていました。

 その後は、いよいよ400〜800字以内で記事を書くことに。パソコンで記事を作成することが多くなったこともあり、原稿用紙と鉛筆で記事を書くのは想像以上に時間がかかります。参加者は苦労しながらも、黙々と筆を走らせ、記事を書き上げていました。そんな参加者の熱意に打たれ、目黒さんは全ての記事に目を通し、添削してくださいました。

 では、講座で紹介された、明日からすぐに使えるニューズレターの書き方のコツを、ちょっとだけお伝えします。
◆   ◆   ◆
■よりよく「聞く」
 取材の前に、必ず聞きたい事項はメモをしておきましょう。話が自分の得意な分野に入ってきても、自分の知識を必要以上に披露したり、自分が話しすぎないように注意します。レコーダーはケースバイケースで使用しますが、使用する際は取材相手に断りを入れます。

■十を聞いて一を書く
 取材では、書くための豊富な材料を仕入れるよう努力します。書く際は、最も読者に伝えたい核心部分を中心に、それを補強する材料のみを選んで書き、それ以外は書かないようにします。ここが難しいところですが、聞いてきたことをもったいないと思ってすべて書いてしまうと、焦点がぼけてしまいます。書かない決断が大切です。

■新聞は「逆三角形」
 新聞記事の文章構成は「逆三角形」と言われ、結論(核心部分)を第一段落(最初)に書きます。ニューズレターでも、「知らせる」ことが主眼の場合は「逆三角形」が効果的です。読者に一番伝えたいことや、印象的なフレーズを最初に、経過や周辺事情をあとにすると、全く違った印象になります。

■エッセーは「起」でひきつける
 エッセーでは、さりげない事実を書いていき、最後に読者へのメッセージがあったりします。エッセー的な内容のニューズレターの場合は、このような構成でもいいでしょう。但し、冒頭は読者の興味を引くように工夫したいところです。例えば、本題とは一見無関係に思える話など、「起承転結」の「起」で読者を引きつける工夫がほしいです。

■明日から使える書き方のポイント
 以下の事項に気をつけると、読みやすくておもしろい文章にグッと近づけます。
  ・ワンセンテンスの中では、主語は一つだけ、動詞を一つだけを心がける
  ・主語と述語が一致しているかどうか、書いた後にチェックする
  ・ワンセンテンスは50字程度にとどめ、あまり長くならないようにする
  ・同じ言葉を繰り返さず、言い換えや省略を工夫する
  ・文末は同じにならないようにする(例えば「〜です」「〜した」でばかり終わらせず、現在形・過去形、疑問形・詠嘆形・伝聞形など取り混ぜる工夫をすると効果的)

■ニューズレターの見出しはどうする
 新聞の見出しをつける際の大原則は、内容をメーンとして、イベント名や出来事名はその次の扱いとすることです。例えば、主見出し「介護法で議論二分」、わき見出し「○○大会開催」とします。統計報告などの場合も同様で、「○○報告」ではなく、特徴的な内容を主見出しとします。
 また、1つの記事の見出しには、同じ言葉が何回も出てこないようにします。別の言葉を使うと、その記事の様々な側面を伝えることができますが、同じ言葉の繰り返しはそれを妨害することになってしまいます。

 文章力上達のために日ごろからできることは、「たくさん読み、たくさん考え、たくさん書くこと」という目黒さん。文章上達に近道はあらず、日常会話の中で少しずつ語彙を豊かにしていくよう心がけることが必要と話しました。

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