報告


 第3回NPOマネジメント講座
 NPO夜学〜あなたにもできる市民活動〜

 ●講師:大久保 朝江さん
       ((特活)杜の伝言板ゆるる代表理事)
 ●日時:2010.8/26(木) 19:00〜21:00

 
 
8月26日マネジメント講座の様子
8月26日マネジメント講座の様子
パソコン要約筆記の実演
▲パソコン要約筆記の実演

 市民活動に関わりたいけれど、仕事や学校で忙しくなかなか知識や情報を得られないでもやもやしている世代に少しでも、市民活動参加のきっかけにしてもらうべく、8月26日(木)、夜間に開催したNPO基礎講座「NPO夜学〜あなたにもできる市民活動〜」。
前半は、みやぎNPOプラザの大久保朝江館長から、NPOについての基礎を学び、後半は、参加者と同じ“働き世代”でNPO活動をしている(特活)パソコン要約筆記文字の都仙台の福元智美理事長と仙石敏雄理事から、活動を始めるきっかけや本業との両立の方法など、「生」の声を聞きました。

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第一部 NPO基礎講座
【NPOとは?】

・Non-Profit Organization「民間非営利組織」
・政府の支配に属さない、団体の意思決定は構成員による、利益を目的にせず、収益を活動に換えて地域に還元し、社会に対して責任ある体制で継続的に存在する、自発的に集まった人々による組織であり、不特定多数の利益となる社会貢献活動をいう。
お金で繋がっていないためのもろさもある。リーダーは人をコーディネートする力が必要。
企業と違うところは、人間関係がピラミッド型ではなく、ドーナツ型。上下関係で繋がっているのではなく、対等に繋がっている。男女や老若で上下関係を作らない新しい価値観。

【NPOの特徴】
市民活動の「市民」は、行政単位の「市民」ではなく、地域を支える人という意味で使われている。行政のサービスは、順番や公平性が重要視されるため、予算は早い段階に決定するので、起こった問題・課題にすぐ対応できない。NPOは小回りが聞くので、自らできる範囲で動くことができる。

【NPOに対して、よくある誤解】
・NPO=無料、安い、儲けてはいけないなどの誤解を持っている市民も少なくないが、NPOの活動にもお金がかかる。儲けることを「目的」にし、利益を分配してはいけないが、サービスの正当な対価として、利益を生み出し、それを団体の目的のためや活動のために還元することは、問題がない。また、労働による対価としての報酬は、「人件費」として計上できる。
・NPO法人になれば、助成金や補助金がもらえるという誤解も多い。任意団体でも申請すれば、もらえる助成金も少なくない。すべては、活動実績や企画・計画による。

第二部 実践者からの話
ゲスト:福元智美さん(NPO法人パソコン要約筆記文字の都仙台 理事長)
     仙石敏男さん(NPO法人パソコン要約筆記文字の都仙台 理事)

【NPO法人パソコン要約筆記文字の都仙台 活動目的】
学会や講演会などで、パソコンの文字入力による情報保障(同時通訳)を行なうことにより、聴覚障がい者(障がい者手帳を持たない軽度難聴者を含む)が必要とする情報を伝達する活動を行っている。学会などへの派遣業務以外にも、要請講座の講師としての活動も行なっている。
1999年、仙台市内で初めて開催されたパソコン要約筆記研修会に参加した有志が中心となり、2002年4月に任意団体『パソコン要約筆記「文字の都仙台」』を旗揚げ、2008年11月にみやぎNPOプラザに事務所を構え、2010年3月にNPO法人格を取得した。
【団体情報】
みやぎNPO情報ネット https://www.miyagi-npo.gr.jp/cgi-local/new_dir/part.cgi?id=31183
団体ホームページ http://mojimi.kuronowish.com/

【働きながら活動することについて】
◎仙石さん
仕事が休みの時に参加している。特に、パソコンが好きとか困っている人のお手伝いをしたいというような強い思いはなかった。家庭が第一なので、毎週は難しい。月に3〜4回と決めて無理のない範囲で活動することが継続の秘訣。大変かどうかという感覚はなかった。仕事以外の仲間がいることに安心感を得ている。
◎福元さん
時間的に融通の利く仕事をしているため、文字の都での活動に参加している時間は一番多い。(月6回くらい)土日に家をあけることが多いと言われたこともあったが、法人格を取得してから、息子さんが応援してくれるようになった。ご主人もボランティアに関わっているため、家族の理解を得ることができている。理事長として、宮城県でこの活動を根付かせるという思いがある。そのため、会員への情報共有へさらに努力していきたい。

【求める人材について】
◎仙石さん
タッチタイピングができること等の技術的な条件はあるが、その他にも障がい者と関わるにあたっての理解と覚悟が必要。とりわけ聴覚障がい者の特性やその歴史を理解しようという気持ちが大切。また協調性や時間を守ることはボランティアとして、団体にとってとても大切。


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